室伏村(読み)むろぶしむら

日本歴史地名大系 「室伏村」の解説

室伏村
むろぶしむら

[現在地名]牧丘町室伏

千野々宮ちののみや村の東に位置し、笛吹川とこと川に挟まれた両河川の合流点近くに立地する。享保九年(一七二四)の村明細帳(山梨県行政文書)によれば、枝郷におつつまがある。「甲斐国志」には奥勝間おつかつまと記される。「梁塵秘抄」に載る「甲斐にをかしき山の名は、白根波埼塩の山、室伏柏尾山、篠の茂れるねはま山」と歌われた室伏は当地に比定される。「吾妻鏡」承久三年(一二二一)六月一三日条によると、承久の乱の際、室伏六郎保信は上洛軍に加わっているが、この保信は甲斐国住人で(承久記)、当地に拠った在地武士であったと考えられる。「一蓮寺過去帳」に載る永和元年(一三七五)正月二四日の文阿弥陀仏に付された「室臥」は地名氏姓か定かでないが、当地の住人であったことは間違いなかろう。永禄四年(一五六一)に府中八幡神社への勤番を命ぜられた「室ふしの禰宜」は日吉山王神社の神官のことで、千野々宮の中牧なかまき神社の神官とともに二日二夜の勤番を勤めている(永禄四年番帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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