普及版 字通 「宦」の読み・字形・画数・意味
宦
9画
[字訓] つかえる
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
宀(べん)+臣。〔説文〕七下に「仕ふるなり」とあり、出仕の意とする。臣はもと神に仕えるもの。〔国語、越語上〕「子寡、疾疹のをして、其の子を宦せしむ」とあるのが原義に近い。〔左伝、僖十七年〕「妾を宦女と爲す」とあるのも同じ。金文の〔伊(いき)〕に「康宮の王の臣妾百工を官司せよ」とあり、宮に仕えるこれらのものは、また王の私臣であった。〔国語、越語〕に越王勾践の降服をしるして、「蠡(はんれい)と入りてに宦す」とあり、その徒隷となることをいう。のち出仕することを求めて遊学することを宦学といい、宦遊という。
[訓義]
1. つかえる、神につかえる、宮中につかえる。
2. 官途につく、つかさにつく、つかさびと。
3. 官途につくためにまなぶ、官事を見習う、故郷を出てまなぶ。
4. かんがん、宦官。閹寺(えんじ)・寺(こんじ)ともいう。去勢した出仕者。
5. 豢と通じ、やしなう。
[熟語]
宦意▶・宦海▶・宦客▶・宦学▶・宦官▶・宦牛▶・宦況▶・宦境▶・宦▶・宦事▶・宦寺▶・宦侍▶・宦者▶・宦豎▶・宦孺▶・宦術▶・宦女▶・宦情▶・宦人▶・宦成▶・宦蹟▶・宦籍▶・宦族▶・宦達▶・宦程▶・宦轍▶・宦途▶・宦夫▶・宦門▶・宦遊▶・宦吏▶・宦路▶
[下接語]
位宦・遠宦・閹宦・寒宦・覊宦・久宦・群宦・宦・孤宦・巧宦・仕宦・豎宦・少宦・世宦・清宦・素宦・宦・達宦・通宦・内宦・薄宦・微宦・浮宦・辺宦・末宦・名宦・游宦・冷宦・老宦
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報