宮崎岬(読み)みやざきみさき

日本歴史地名大系 「宮崎岬」の解説

宮崎岬
みやざきみさき

[現在地名]波方町宮崎

高縄たかなわ半島の北端から西に約三キロばかり突出した岬を宮崎岬と称し、その先端を梶取かじとりはなとよんでいる。明治一三年(一八八〇)の「伊予国野間郡地誌」は宮崎村(宮崎岬)について「郡ノ東北斗出ノ地ニ位シ、其尽頭岬頭三岐ヲ成シ、地形尖テ、而テ細ク、所謂宮崎ノ鼻是ナリ、其海上潮水甚急ナルヲ以テ、舟人常ニ之カ警備ヲ為ス」と記している。

宮崎岬周辺の海を宮崎灘と称し、潮流激しく海の難所であっただけに、古くから海賊の拠点となったらしく「三代実録」貞観九年(八六七)一一月一〇日の条に「下知摂津・和泉山陽・南海道等諸国曰、如聞、近来伊予国宮崎村、海賊群居掠奪尤切、公私海行、為之隔絶、凡可捕件賊之状、頻繁仰下、督促慇懃云々」とみえ、海賊が宮崎村に群集して掠奪するので、南海道等の沿岸諸国に対して逮捕を命じている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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