山陽(読み)サンヨウ

デジタル大辞泉 「山陽」の意味・読み・例文・類語

さん‐よう〔‐ヤウ〕【山陽】

山の南側。⇔山陰

山陽地方」の略。
山陽道」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「山陽」の意味・読み・例文・類語

さん‐よう‥ヤウ【山陽】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 山の南側。
    1. [初出の実例]「『オオストリヤ』と云、〈略〉薩撤国の山陽、拝焉(バイエロン)国の山東に位し」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四)
    2. [その他の文献]〔任昉‐答陸知己賦〕
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 中国の漢代、黄河の北岸、現在の河南省焦作市に置かれた県名。〔漢書‐地理志上〕
    2. [ 二 ]さんようどう(山陽道)」の略。
      1. [初出の実例]「漸(やうや)く訳書をも為し、五畿・七道、山陽・南海諸道の人を誘導し」(出典:蘭東事始(1815)下)
    3. [ 三 ]さんようちほう(山陽地方)」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山陽」の意味・わかりやすい解説

山陽(山口県)
さんよう

山口県南西部、厚狭郡(あさぐん)にあった旧町名(山陽町(ちょう))。現在は山陽小野田市の北部と西部を占める地域。下関(しものせき)市の東に接し、周防灘(すおうなだ)に面する。旧山陽町は1956年(昭和31)厚狭、埴生(はぶ)の2町が合併して成立。2005年(平成17)小野田市と合併、山陽小野田市となった。地域のほぼ中央を東西にJR山陽本線、国道2号、東海道・山陽新幹線が走り、南部を山陽自動車道、国道190号が走る。厚狭川下流の厚狭盆地は『和名抄(わみょうしょう)』の厚狭郷、厚狭郡家の地。中世に鴨庄(かものしょう)や山井別府(やまのいべっぷ)の荘園(しょうえん)が成立。沿岸部の埴生は山陽道埴生駅家(はぶのうまや)の置かれた所。中世は石清水八幡(いわしみずはちまん)宮の荘園であった。1903年(明治36)大嶺(おおみね)炭田を結ぶ大嶺線(現、JR美祢(みね)線)が開通して、厚狭は交通要地となった。1916年(大正5)設置の日本化薬(株)は日本最初の火薬工場。無煙炭で知られた埴生炭鉱は現在閉山。山野井工業団地などの造成により、企業進出もみられる。厚狭川の河口から埴生沖の遠浅海岸は県下ノリ養殖の一中心をなすが、生産量は減少している。

三浦 肇]

『『山陽町史』(1984・山陽町)』


山陽(岡山県)
さんよう

岡山県中南部、赤磐郡(あかいわぐん)にあった旧町名(山陽町(ちょう))。現在は赤磐市の南西部を占める地域。旧山陽町は、1953年(昭和28)高陽(こうよう)、西山、高月(たかつき)の3村が合併して町制施行。2005年(平成17)赤坂、熊山(くまやま)、吉井の3町と合併して市制施行、赤磐市となった。砂川が貫流し、吉備(きび)高原上に浅く広い盆地を形成している。水田には条里地割が残存し、丘陵には果樹園がある。モモは明治中期から西山地区で栽培され、県内でも古い歴史をもつ。第二次世界大戦後はブドウ栽培が急速に増加した。中心集落は下市(しもいち)で、赤磐市役所の所在地。岡山市に近いため南西部に県営山陽団地、東部に民間の岡山ネオポリスの両住宅団地が建設され、大規模なベッドタウンとなった。山陽自動車道山陽インターチェンジがある。両宮山(りょうぐうざん)古墳備前国分寺跡(ともに国指定史跡)その他の遺跡が多い。北部には県農林水産総合センター農業研究所がある。

[由比浜省吾]

『『山陽町史』(1986・山陽町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山陽」の意味・わかりやすい解説

山陽
さんよう

山口県南西部,山陽小野田市北部の旧町域。厚狭川下流域にあり,周防灘に臨む。 1956年厚狭町と埴生町が合体して山陽町が発足。 2005年小野田市と合体して山陽小野田市となった。中心集落の厚狭郡家が置かれた古代の政治の中心地で,条里制の遺構がある。 1898年の山陽本線開通後に発展。低い丘陵地と厚狭川流域の沖積平野とからなり,米,野菜,ミカンなどを産する。厚狭川河口付近はノリの養殖が行なわれ,沿岸ではキス,クロダイ,フグ,タコなどの漁獲がある。西端の埴生を中心に大規模工業団地が造成されている。

山陽
さんよう

岡山県南東部,赤磐市南部の旧町域。砂川中流域にあり,南部と西部で岡山市に接する。 1953年高陽村,西山村の2村と高月村の一部が合体して町制。 2005年赤坂町,熊山町,吉井町と合体し赤磐市となった。開発は古く,備前国分寺の所在地で,低地には条里制の遺構が残る。大山道の要衝として開ける。市場も開設され,五日市,上市,下市の集落名に名残りがある。丘陵部ではモモ,ブドウの栽培が盛ん。中央部に県営の大型住宅団地が建設されるなど岡山市のベッドタウンとなっている。国指定史跡の両宮山古墳,備前国分寺跡など上古の遺跡が多い。

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百科事典マイペディア 「山陽」の意味・わかりやすい解説

山陽[町]【さんよう】

岡山県南部,赤磐(あかいわ)郡の旧町。吉備(きび)高原縁辺の砂川盆地に位置する。砂川は天井川となり,灌漑(かんがい)は溜池(ためいけ)による。中心集落は下市(しもいち)。モモ,ブドウを栽培。宅地化が進んでいる。2005年3月赤磐郡赤坂町,熊山町,吉井町と合併し市制,赤磐市となる。34.64km2。2万5745人(2003)。

山陽[町]【さんよう】

山口県南西部,厚狭(あさ)郡の旧町。厚狭川下流域の厚狭盆地にある。主集落の厚狭は山陽本線と美祢(みね)線の分岐点で,両線開通後,東方の旧宿場町船木に代わって発展した。周防(すおう)灘に臨む埴生(はぶ)は農漁村。米作,施設園芸を営むほか,ノリの養殖も行われる。観光ブドウ園も盛ん。赤間硯(すずり)の産地。2005年3月小野田市と合併し市制,山陽小野田市となる。89.81km2。2万2610人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「山陽」の意味・わかりやすい解説

山陽(山口) (さんよう)


山陽(岡山) (さんよう)

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普及版 字通 「山陽」の読み・字形・画数・意味

【山陽】さんよう

山の南。

字通「山」の項目を見る

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「山陽」の解説

さんよう【山陽】

群馬の日本酒。蔵元は「玉井酒造」。現在は廃業。蔵は邑楽郡明和町にあった。

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