…多雪地帯の日本海側と太平洋側の分化,ソハヤキ要素,マキネシアなどは日本の植物区系を理解するために考えられた区分である。また,南千島とオホーツク地区との境界に宮部線,フォッサマグナ地区に牧野線,吐噶喇列島のところに渡瀬線,小笠原の南に細川線などが提唱されており,それぞれ分布域の境界とされている。 植物は地球上のあらゆるところに生活場所を占めているが,それぞれの環境条件に合わせて,形態も機能もひじょうに多様化させている。…
…しかし,列島の北部と南部では緯度が約8゜も違うこと,暖流の影響を受ける程度の違いから,南北の植生には大きな違いが見られる。択捉島とウルップ島の間には,日本の植物分布境界線の一つである宮部線が通り,これより南側の国後・択捉両島には北海道北東部と同じ温帯性の高木林が見られるが,ウルップ島以北には見られず,平地に高山植物が生育し,亜寒帯性の植生を示している。沿海はサケ・マス,タラ,カニ,オヒョウなどの寒流系の魚種に富み,ホタテガイ,ホッキガイなどの貝類やコンブ,ノリなども多く見られる。…
※「宮部線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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