富士村(読み)ふじむら

日本歴史地名大系 「富士村」の解説

富士村
ふじむら

[現在地名]佐野市富士町

唐沢からさわ山の南の谷地に位置し、南西大栗おおぐり村。観応元年(一三五〇)八月二〇日の阿曾沼秀親譲状(小山文書)に佐野庄内「冨地」とみえ地頭職が某に譲られている。当地は阿曾沼氏の所領であった。永享八年(一四三六)五月二六日の海上頼胤寄進状(鶴岡八幡宮文書)によれば、頼胤は同庄内「富地郷」の半分を鎌倉鶴岡八幡宮に寄進しており、年月日未詳の足利庄・佐野庄内鶴岡八幡宮神領注文(鑁阿寺文書)にも「佐野荘之内うなかミ寄進 一藤郷之事」とみえる。天文二二年(一五五三)七月二四日に簗田晴助に安堵された「藤郷」(「足利義氏安堵状写」静嘉堂本集古文書)は当地とも考えられる。


富士村
ふじむら

[現在地名]犬山市宮浦みやうら仲田なかた五反田ごたんだ早稲田わせだなど

北は前原まえはら新田村に、南は安楽寺あずくじ村に接する。東部には本宮ほんぐう(俗に大富士)に対して小富士こふじとよばれる孤峰尾張富士(二七五メートル)がある。成瀬隼人正采地村。高一二六石余、田八町一反・畑二町五畝余。寛文一一年(一六七一)には戸数一一、人数七八(寛文覚書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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