寒食散(読み)かんしょくさん(英語表記)Hán shí sǎn

改訂新版 世界大百科事典 「寒食散」の意味・わかりやすい解説

寒食散 (かんしょくさん)
Hán shí sǎn

中国の六朝時代にさかんに服用された散薬。服用後には,酒だけを例外としてあたたかい飲食物をとってはならないためにこの名があり,また基本的に紫石英,白石英,赤石脂,鍾乳,石硫黄の5種類の石薬,すなわち鉱物性薬材を用いるところから五石散とも呼ばれた。漢代においても一部の病気治療に使用されたが,魏の何晏(かあん)以後爆発的に流行したのは,服用後の幻覚をたのしみ,また仙人となることができると信じられたからである。しかし,はげしい中毒症状をまねき,生命をおとすものがたえなかった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android