散薬(読み)サンヤク

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

散薬
さんやく

剤ともいう。通例、2種以上の医薬品を均等に混和した粉末状の製剤であるとされているが、混合しなくても、一種の医薬品でも調剤されて包装されたものは散薬と考えられている。粉末状というのは肉眼的にみて粉末にみえることで、粒子径からいうと0.35ミリメートル以下のものをさす。散薬の欠点は、粒子が細かいものは飛散性が大であり、薬剤アレルギーの原因ともなることである。内用薬としては粒子を多少大きくした細粒剤が繁用されるようになった。しかし、外用の散剤は付着性が大で、粒子の細かいことが利点であり、内用とは物性上逆のものが望まれる。また、錠剤やカプセル剤を飲み込めない乳幼児や老人、あるいは精神科の患者など散薬でなければならない場合もあり、胃腸薬のように粉末のほうが作用の発現が早いと考えられるものもあるので、この剤形はなくならないであろう。散剤は原末として用いられる場合と、2倍散(50%散)、10倍散、100倍散などのように使用に便利なよう倍散として用いられる場合がある。[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

さん‐やく【散薬】

〘名〙 粉末状の薬。こなぐすり。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
※蔭凉軒日録‐文正元年(1466)閏二月一四日「前日東坊贈散薬一裹。尤為恵也」

ちらし‐ぐすり【散薬】

〘名〙 患部のはれや痛みをやわらげるのに使う外用薬。また、一般的に苦痛を散らしやわらげる薬。
※俳諧・誹諧之連歌(飛梅千句)(1540)霜何第八「月はおほろに人のはれもの 花にたたかくすはちらし薬にて」

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