寺中遺跡・金草原遺跡(読み)じちゆういせき・かなくさばらいせき

日本歴史地名大系 「寺中遺跡・金草原遺跡」の解説

寺中遺跡・金草原遺跡
じちゆういせき・かなくさばらいせき

[現在地名]伊東市宇佐美

宇佐美を流れるからす川中流域に立地する製鉄遺跡。俗称金草原とよばれる一帯を中心に多量の鉄滓が採集されることが古くから知られていた。平成三年(一九九一)からの発掘によって寺中遺跡は中世製鉄遺跡であることが確認された。限定された発掘範囲でも鉄滓の量は土嚢一万二千袋(約五〇トン)、製鉄炉一六基、排滓場など製鉄・精錬関係の遺構遺物が出土している。南伊豆の製鉄遺跡なども併せて伊豆半島に独自の技術をもった製鉄者集団が存在したとの推定もあり、中世にこの地で栄えた宇佐美氏との関係など、解明すべき課題も多く注目される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android