寺原町
てらばるまち
京町の高台と坪井川によって挟まれた地域を寺原といい、その中央東部に町人町の寺原町があった。地域的には離れているが、新坪井町懸に属した。標高約一〇メートル内外で、洪水の際には被害を被りやすい。坪井川の東側は向寺原と称した。「国誌」によれば、寺原には往昔浄国寺という天台宗の巨刹があり、「浄国寺退転ノ後此辺ノ地名ヲ寺原ト呼シト云」とある。近世には町人町寺原町の回りには武家屋敷が立並んでいた。享和元年(一八〇一)成立の御府中小路町々産物附(県立図書館蔵)によれば、寺原町に半夏、その南の庚申橋に西瓜問屋、蓙打町に藺莚ならびに灯心の商品・問屋名がみられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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