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寿桂尼 じゅけいに

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

寿桂尼 じゅけいに

?-1568 戦国時代,今川氏親(うじちか)の妻。
中御門宣胤(なかみかど-のぶたね)の娘。今川氏輝(うじてる),義元(よしもと)の母。大永(たいえい)6年氏親が没すると,落飾して幼少の氏輝を後見,領国支配文書に名をのこす。氏輝没後の家督争い(花倉の乱)では,義元を擁立した。大方(おおかた)殿,尼御台(あまみだい)とよばれた。永禄(えいろく)11年3月14日死去。

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書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

朝日日本歴史人物事典の解説

寿桂尼

没年:永禄11.3.24(1568.4.21)
生年:生年不詳
戦国時代の女性。今川氏親の妻,公家の中御門宣胤の娘。氏親に嫁いだころの今川氏は戦国大名としての興隆期であったが,彼女はその後次々と大きな不幸に見舞われる。結婚して10年がたつかたたないうちに夫は中風に倒れ,10年ほど病床に伏したのち大永6(1526)年に死去する。その間,夫を補佐して政務に携わるようになったのであろう。そして夫の死後家中に大きな動揺が生じると,14歳で家督を継いだ嫡子の氏輝に代わって2年近くも前面に立って国政を動かし,「帰」の印判を押した朱印状を発給している。こうして代替わりの不安定な時期を乗り切り氏輝に実務を引き継ぐが,その後もなおこれを補佐し続けた。ここから,北条政子にちなみ「駿府の尼御台」と俗称された。さらに天文5(1536)年,氏輝とその弟彦五郎の2人の実子が同じ日に死去。家督を巡って,実子で僧の梅岳承芳(義元)が庶兄の僧玄広恵探と争うと,いち早く義元のために多数派工作に動いたといわれる。 義元が反対勢力を討って家督につくと,ようやく今川氏の支配は安定し,勢力も伸張した。それにより彼女は国政から解放され,20年余りにわたって平穏な日々を送ることができた。この間,兄の中御門宣秀や妹の黒木(公家山科言継の養母)をはじめ多くの公家が駿府に集まり,頻繁に歌会などが催された。こうした京都ゆかりの文化が駿府で花開くのに,彼女の果たした役割が大きかったのはいうまでもない。弘治2(1556)年に言継が駿府を訪れたころには,「大方」と呼ばれて,湯山(静岡市油山)へ湯治に行ったり,言継のために歌会始に着る小袖を用意したりといった日々を送っている。しかしそれも束の間,永禄3(1560)年には桶狭間から義元敗死の悲報が届く。3人の男子すべてに先立たれ,動揺する家中を立て直す力はもはやなく,衰運のなか,波乱に富んだ生涯を終えた。静岡市沓ノ谷の竜雲寺に葬られる。

(池上裕子)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寿桂尼
じゅけいに
(?―1568)

戦国大名今川氏親(いまがわうじちか)の正室。今川氏輝(うじてる)・義元(よしもと)の母。京都公家(くげ)中御門宣胤(なかみかどのぶたね)の娘。1526年(大永6)氏親が没すると幼少の氏輝の代行および後見として尽力。36年(天文5)、氏輝の没後生じた家督争い(花倉(はなくら)の乱)では、太源崇孚(たいげんすうふ)(雪斎(せっさい))とともに実子義元につき、義元の異母兄の玄広恵探(げんこうえたん)(良真(りょうしん))を倒した。寿桂尼は氏親没後以降、自ら「帰」という印文のある印判を用い、領国支配に関する文書を30点近く発給しているが、これは戦国女性としては異例であり、また『言継卿記(ときつぐきょうき)』の弘治(こうじ)2年(1556)には「大方(おおかた)」とみえるなど、今川氏のなかにあってその政治的立場は重要であった。しかし桶狭間(おけはざま)の戦い以降、今川氏が衰退するなかで永禄(えいろく)11年に没した。[久保田昌希]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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