尋常性狼瘡(読み)じんじょうせいろうそう(その他表記)lupus vulgaris

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尋常性狼瘡」の意味・わかりやすい解説

尋常性狼瘡
じんじょうせいろうそう
lupus vulgaris

皮膚結核の一型。境界鮮明な増殖肉芽腫様病変,角化性病変,萎縮瘢痕性病変,小潰瘍性病変などが混在し,一部に瘢痕を形成しつつ拡大する。皮膚以外の結核病巣から結核菌が血行性あるいはリンパ行性に皮膚に到達して発症する。組織学的には類上皮細胞,ラングハンス巨細胞,リンパ球から成る肉芽腫で,乾酪変性はない。表皮には萎縮,増殖,角化を認める。のちに有棘細胞癌の発生をみることがあり,これを狼瘡癌という。

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世界大百科事典(旧版)内の尋常性狼瘡の言及

【狼瘡】より

…オオカミ(狼)にくいちぎられてできたような状態を呈する慢性の潰瘍というところから由来した名前で,二つの主要な病気が含まれる。その第1は尋常性狼瘡で皮膚結核の代表的なものであり,第2は紅斑性狼瘡(エリテマトーデスともいう)という代表的な膠原病(こうげんびよう)である。ここでは尋常性狼瘡について述べる。…

※「尋常性狼瘡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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