旺文社日本史事典 三訂版 「小作・小作人・小作制度」の解説
小作・小作人・小作制度
こさく・こさくにん・こさくせいど
古代の賃租田や中世の請作経営などにもその型がみられるが,江戸時代に入って小作といわれ,中期以降の寄生地主制への進行に伴い制度化し,基本的な土地制度となった。土地の質入れ形式で小作人となる質地小作と,大地主のもとに小作人となる名田小作があり,後者が支配的であった。小作人は水呑百姓がほとんどで,経済的束縛のため苦しんだ。小作料は貢租分・小作人取分とほぼ均分。小作地は明治初年全耕地の3分の1を占めた。1873年の地租改正で小作制度と高額小作料が確認され,問題の解決は第二次世界大戦後の農地改革にまでもちこされた。
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