小倉池廃寺
おぐらのいけはいじ
[現在地名]宇佐市上元重
稲積山・石山から平野に向けて突き出した丘陵末端の小倉池の池底にある。この池は慶長一二年(一六〇七)に造られた灌漑池であるが、昭和四八年(一九七三)湖水が枯れた折礎石列が発見され、寺跡であることが確認された。この寺跡については「太宰管内志」に「宇佐郡元重村上古有大伽藍」とある記事との関連が注目され、寺跡の所在が指摘されていた。池の南一帯の山地に伽藍の地名がある。昭和五〇年に行われた調査の結果、池底の建物跡は東西一五・五メートル、南北一一・二メートルの長方形の基壇が石積みされたものであった。露出している九個の礎石より復原すると五間×四間の建物とみられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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