小原女(読み)おはらめ

改訂新版 世界大百科事典 「小原女」の意味・わかりやすい解説

小原女 (おはらめ)

歌舞伎舞踊長唄本名題《奉掛色浮世図画(かけたてまつるいろのうきよえ)》の一曲。1810年(文化7)8月江戸中村座で3世中村歌右衛門が初演。作詞2世瀬川如皐。作曲9世杵屋(きねや)六左衛門。振付市山七十郎。前段洛北,小(大)原から京の街に薪(たきぎ)を売りにくる女の風俗を舞踊化したもので,下に奴の衣装を着こみ,お多福の面をつけたふくれた姿の踊。後段はこの着付,面をとって《国入奴》に替わり,毛槍の活発な動きを見せる。
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「小原女」の解説

小原女
〔長唄〕
おはらめ

歌舞伎浄瑠璃外題
作者
瀬川如皐(2代)
演者
杵屋六左衛門(9代)
初演
文化7.7(江戸・中村座)

小原女
(通称)
おはらめ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
奉掛色浮世図画 など
初演
文化7.8(江戸・市村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小原女の言及

【長唄】より

…文化・文政期(1804‐30)は江戸趣味的な拍子本位の舞踊曲の全盛期である。この期には俳優にも3世坂東三津五郎,3世中村歌右衛門など兼ねる役者に名人が現れ,変化物(へんげもの)舞踊が流行した結果,長唄も短編ではあるが変化物に《越後獅子》《汐汲(しおくみ)》《小原女(おはらめ)》などの傑作が生まれた。また,伴奏音楽の面でも変化の妙を示そうとして豊後節系浄瑠璃(常磐津,富本,清元)と長唄との掛合が流行したのもこのころで,《舌出三番叟(しただしさんばそう)》《晒女(さらしめ)》《角兵衛》などが掛合で上演された。…

※「小原女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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