小幡北山埴輪製作遺跡(読み)おばたきたやまはにわせいさくいせき

国指定史跡ガイド「小幡北山埴輪製作遺跡」の解説

おばたきたやまはにわせいさくいせき【小幡北山埴輪製作遺跡】


茨城県東茨城郡茨城町小幡にある日本最大の埴輪製作遺跡涸沼(ひぬま)川の南岸台地上に位置し、6世紀後半から7世紀にかけて操業していたとみられている。付近は古くから窯業生産に適した自然環境で、良質粘土を産出し、あちこちに湧水がある。1953年(昭和28)、入植者の開墾作業で多量の埴輪(はにわ)が出土したが、その後、1987年(昭和62)になって、西側支谷から新たな窯跡が発見されたため、遺跡が予想以上に広範囲であることがわかり、1987年(昭和62)、1988年(昭和63)に範囲確認調査が行われた。この調査により、約8haに及ぶ広大な遺跡が確認され、埴輪窯59基、工房跡8棟、粘土採掘坑2ヵ所などが発見された。1992年(平成4)には国の史跡に指定された。窯跡を中心に、円筒埴輪と朝顔形埴輪のほか、各種の形象埴輪が出土。形象埴輪には武人像や堅笛を吹く人物像、たすきをかけた人物像、壺をもつ人物像のほかに馬形埴輪や盾形埴輪など多様なタイプがある。ここでつくられた埴輪は、15km離れた霞ヶ浦北岸の舟塚山古墳にまで供給されていた。古墳時代後期における埴輪生産の実態や政治勢力の支配領域、経済圏を究明するうえで欠くことのできない遺跡である。JR常磐線ほか水戸駅から関東鉄道バス「赤坂入口」下車、徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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