日本大百科全書(ニッポニカ) 「小早川家文書」の意味・わかりやすい解説
小早川家文書
こばやかわけもんじょ
土肥実平(どいさねひら)を祖とし、曽孫(そうそん)茂平(しげひら)のときから安芸(あき)国沼田荘(ぬたのしょう)地頭(じとう)として土着し、有力武士団を形成した小早川氏に伝えられた文書。天皇の綸旨(りんじ)・口宣(くぜん)、将軍家御教書(みぎょうしょ)、管領施行状(かんれいしぎょうじょう)などよりなる小早川重書(じゅうしょ)、沼田家証文、竹原(たけはら)家証文、椋梨(むくなし)家什書(じゅうしょ)、隆景(たかかげ)時代の諸文書(秀吉朱印状など)、小早川家証文(593通)、小早川家什書写、系図、庶子家の一つである浦家(うらけ)文書を収める。鎌倉期から室町・戦国期にかけての惣領(そうりょう)制・族的結合、在地領主制、また幕府奉公(ほうこう)衆の実態などを知るうえでの好個の史料である。『大日本古文書 家わけ11』所収。
[田端泰子]