家庭医学館 「小腸損傷」の解説
しょうちょうそんしょう【小腸損傷 Injury of Small Intestine】
腹膜刺激症状(押すと強くなる腹痛、緊張してかたい腹壁など)がみられます。
超音波検査による腹腔(ふくくう)の液体貯留、診断的腹腔洗浄(コラム「診断的腹腔洗浄とは」)による出血の証明、CTによるむくみ・出血、X線撮影によるフリー・エア(破れた小腸からもれた空気)の存在で診断がつきます。
[治療]
開腹して、損傷を受けた小腸を整復します。
複数の箇所が破裂することもあり、この場合は、小腸が短くならないように、つなぎ(吻合(ふんごう))のしかたを工夫します。
腸間膜(ちょうかんまく)から出血していて、小腸が虚血状態になって壊死(えし)をおこす、手術をした部分が盛り上がり(瘢痕(はんこん))、小腸の内腔が細くなるなどの変化が後からおこることがあるので、手術後しばらくは経過観察が必要です。