小良浜村(読み)おらはまむら

日本歴史地名大系 「小良浜村」の解説

小良浜村
おらはまむら

[現在地名]大熊町小良浜

断崖続きの海岸部にあり、北はくま(境川)を挟んで熊川くまがわ村。古代には熊川辺りを「苦麻の村」とよび、常陸国の北限としたという(常陸国風土記)中世には標葉しねは郡と楢葉ならは郡の境界は熊川辺りであったが、明瞭でなかったため、標葉氏の一族熊川氏や熊氏などが熊川を越えて南側に進出したという。近世に入ると、南の岩城氏と北の相馬氏が各々自領であると主張したため標葉郡の「俺ら浜」と楢葉郡の「俺らが浜」(現富岡町小良ヶ浜)とに分けて境界を決めたと伝える。延享四年(一七四七)の小良ヶ浜出入留書(富岡町史)によれば、元禄二年(一六八九)磐城平藩家老と相馬藩家老とが談合し、さかい川河口の船溜りである浜須賀はますがは磐城平藩領と決定したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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