楢葉(読み)ならは

改訂新版 世界大百科事典 「楢葉」の意味・わかりやすい解説

楢葉[町] (ならは)

福島県東部,双葉郡の町。人口7700(2010)。浜通り南部に位置し,東は太平洋に臨む。西部には阿武隈高地が連なり,西高東低地形をなす。南相馬市といわき市の間にあり,両市とのつながりが強い。JR常磐線,国道6号線が南北に縦断する。中世には岩城氏の一族楢葉氏が一帯を支配し,山田岡にその居館址がある。かつては馬産や和紙の生産が盛んであったが,現在は稲作を中心に養蚕畜産,野菜栽培が行われている。1974年より隣接する富岡町にまたがって東京電力福島第2原子力発電所の建設が始まり,1~4号炉が82年から87年に順次,運転を開始した。これによって,就業人口の大半が2次・3次産業で占められるようになった。旧石器時代以降の各時代の遺跡が数多く分布しているが,特に天神原遺跡は重要である。2011年3月の福島原発事故に際し,町役場機能を福島県会津美里町,さらに同県いわき市へ移転した。
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