日本大百科全書(ニッポニカ) 「小鹿野(町)」の意味・わかりやすい解説
小鹿野(町)
おがの
埼玉県西部、秩父郡(ちちぶぐん)にある町。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)長若(ながわか)村、1956年三田川(みたがわ)、倉尾(くらお)村と合併。2005年(平成17)秩父郡両神村(りょうかみむら)を合併。秩父市から国道299号が通じ、志賀坂(しがさか)峠を越えて群馬県に至る。東部は秩父盆地北西部にあたる丘陵性の地域、西部は秩父山地で、南部を薄(すすき)川、小森川、北部を赤平(あかびら)川が流れる。秩父多摩甲斐国立公園、県立両神自然公園、県立西秩父自然公園に含まれる。中心の小鹿野地区は、赤平川の谷口集落で、江戸時代から市場町として栄えた。また、かつては埼玉県における養蚕の主要地でもあった。現在はキュウリの産が多く、またカキ、クリやコンニャクの生産、花卉(かき)栽培が盛ん。各地に精密機器の小工場がある。12月15日に行われる飯田八幡(いいだはちまん)神社の鉄砲祭は有名である。県の無形民俗文化財に指定されている小鹿野歌舞伎(かぶき)も知られている。北東部に古い地層が露出した「ようばけ」と「おがの化石館」がある。面積171.26平方キロメートル、人口1万0928(2020)。
[中山正民]
『『小鹿野町誌』(1976・小鹿野町)』
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