少子化対策減税(読み)しょうしかたいさくげんぜい(英語表記)tax reduction countermeasure for falling birthrate

知恵蔵 「少子化対策減税」の解説

少子化対策減税

少子化対策として、世帯の児童数に応じて所得税の減税を行うこと。国の出生率が1.25にまで落ち込んだことを受け、政府与党の少子化対策会議および自民党税調、政府税調で世帯の児童数に応じて所得税の減税を行うことが検討されている。こうした少子化対策減税では、現行の所得税が所得額から扶養児童1人当たりの定額を控除する所得控除方式を採用しているのに対し、税額から一定額を直接減額する税額控除方式に改めることが提案されている。所得控除方式では控除額を引き上げても、高所得者に有利となる一方で、出産を迷っている中産階級への動機付けに乏しいためである。しかし、税額控除方式に改めても非課税世帯や税額控除が税額を上回る場合は、効果が期待できないという問題点は生じる。

(神野直彦 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授 / 2007年)

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