少数代表(読み)しょうすうだいひょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「少数代表」の意味・わかりやすい解説

少数代表
しょうすうだいひょう

選挙制度上の代表方法の一つで、多数代表制、比例代表制および職能代表制と区別される。代表者の選出をその選挙区の多数派の意思にかからしめ、多数派をしてその選挙区の議席を独占させる結果となる多数代表制のもつ著しい不公正を是正して、少数派からも代表者が選出される可能性を保障する選挙方法である。少数代表の制度としては、(1)大選挙区単記非委譲式投票制(1選挙区の議員定数を2人以上とし、選挙人は単記の投票を行い、その候補者に投ぜられた票は他に委譲されることのない制度で、わが国の衆議院議員選挙はこれに属する)、(2)制限連記制(1選挙区3人以上の議員定数であることを前提とし、選挙人に、議員定数と同数までには至らない複数の連記投票を認める制度)、(3)累積投票制(選挙人はその選挙区から選出される議員定数と同数の投票権を有し、選挙人は自己の有する投票権を同一の候補者に累積的に投票することができる制度)などがある。

[三橋良士明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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