尻池村(読み)しりいけむら

日本歴史地名大系 「尻池村」の解説

尻池村
しりいけむら

苅藻かるも(現新湊川)下流の中世の村名。長田神社神主職の嫡々相続を訴えた貞応元年(一二二二)八月日の大中臣景盛愁状案(大中文書)に、兵庫下庄地頭・氏人や近隣の村の長者刀禰とともに尻池村の長者清原宗清と刀禰藤井貞依が景盛の主張の正当性を保証する署判を加えている。現東尻池町宝満ほうまん寺は空海開創と伝える古刹で、鎌倉時代に法灯派の祖無本覚心が再興して禅寺としたと伝え、本尊大日如来坐像は永仁四年(一二九六)後宇多上皇の安穏などを祈願して造立されたことが胎内銘から知られる。法灯派は亀山・後宇多・後醍醐各天皇の帰依を受けたが、当地は当時皇室領であったのではないかと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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