尾張七宝(読み)おわりしっぽう

事典 日本の地域ブランド・名産品 「尾張七宝」の解説

尾張七宝[金工]
おわりしっぽう

東海地方、愛知県の地域ブランド。
海部郡七宝町・名古屋市・清須市で製作されている。江戸時代後期の天保年間(1830年〜1844年)、尾張梶常吉がオランダ七宝の皿を手がかりにその製法を発見し、改良を加えたのが始まりという。図柄輪郭になる部分に銀腺をほどこす有線七宝は尾張七宝の代表的な技術である。現在の製品には、花瓶酒器ペンダントなどがある。1995(平成7)年4月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「尾張七宝」の解説

尾張七宝

愛知県名古屋市、あま市などで生産される花瓶、香炉、飾り皿などの七宝焼による工芸品。江戸時代後期、天保年間に、尾張藩士の子として生まれた梶常吉が、オランダ渡来の七宝皿を研究して創始したとされる。国指定伝統的工芸品。

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世界大百科事典(旧版)内の尾張七宝の言及

【梶常吉】より

…尾張藩士の家に生まれ,鍍金を業とする恒川家に養子となり,金属焼付けを学ぶ。後に,伝統的な七宝技術によることなく,オランダ渡りの七宝器を分析して独学により尾張七宝をつくりあげ,藩の御雇工人となる。弟子の林庄五郎,その弟子塚本貝助(ばいすけ)などの努力により,名古屋地方はその後七宝の一大産地として発展し,七宝器は明治期には重要な輸出品として量産された。…

※「尾張七宝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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