花瓶(読み)カビン

デジタル大辞泉 「花瓶」の意味・読み・例文・類語

か‐びん〔クワ‐〕【花瓶】

花を生ける、壺形や筒形をした容器陶磁器・金属製・ガラス製などのものがある。
[類語]花器花生け花入れ花立て水盤一輪挿し剣山

か‐へい〔クワ‐〕【花瓶】

かびん(花瓶)」に同じ。

はな‐がめ【花瓶】

かびん(花瓶)」に同じ。

け‐びょう〔‐ビヤウ〕【瓶/華瓶】

仏前に花を供えるのに用いる仏具銅製で無紋のものが多い。かひん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「花瓶」の意味・読み・例文・類語

か‐びんクヮ‥【花瓶】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古く「かひん」とも ) 花器の一種。花を活(い)ける瓶や壺。銅製、陶磁製、ガラス製などがある。はないけ。はながめ。はなたて。けびょう。かへい。〔九暦‐九条殿記・菊花宴・天暦五年(951)一〇月五日〕
    1. [初出の実例]「大紋の畳を敷双(しきなら)べ、本尊脇絵花瓶(クヮヒン)香爐鑵子盆に至るまで一様に皆置調へて」(出典太平記(14C後)三七)

はな‐がめ【花瓶】

  1. 〘 名詞 〙 生花をさしいけるのに用いるかめ。はないけ。はないれ。かびん。
    1. [初出の実例]「花がめに桜の花をささせたまへるを見てよめる」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・五二・詞書)

か‐へいクヮ‥【花瓶】

  1. 〘 名詞 〙かびん(花瓶)〔卓袱会席趣向帳(1771)〕

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世界大百科事典(旧版)内の花瓶の言及

【いけばな】より

…《古今著聞集》の伝える平安期の菊合せや前栽(せんざい)合せなどのようすは,庭前においてこれを縁から観賞したもので,ことにこの花を寄せ植えにしたような前栽は,後世の草体(そうたい)のいけばなの源流と見ることもできる。鎌倉期になると室内において挿した花が観賞された記録も多くなり,藤原定家の《明月記》などには花瓶に種々の花を立てて,花合せを行ったことが記されており,また室町初期1380年(康暦2)の《迎陽記》には当時舶載された珍しい器に花が立てられ,花合せの行われたようすが伝えられている。この花合せは仏教的行事としての七夕法楽(しつせきほうらく)として行われたことが多い。…

【三具足】より

…仏前の供養具である花瓶,燭台,香炉の三つ道具を総称していう。しかし,室町時代には供養具の性格から離れ,鑑賞具として扱う考えが生まれる。…

※「花瓶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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