尾張庄(読み)おわりのしよう

日本歴史地名大系 「尾張庄」の解説

尾張庄
おわりのしよう

尾張国内に存在した東大寺領荘園総称で、海部あま・中島・葉栗・丹羽春部かすがべ・山田・愛智庄をいう。「東大寺要録」巻第一〇に

<資料は省略されています>

とみえる。これは、延喜一七年(九一七)尾張国中島郡の東大寺庄田について、寺家の申請に基づきこれを寺家に領掌させるという中央の決定を録したものである。この史料からすれば、中島郡の寺田を尾張庄という固有の名称でとらえることもできようが、弘安八年(一二八五)の東大寺領諸荘注進状写(東大寺文書)のなかには、

<資料は省略されています>

といった記載がみえ、尾張国内に知多郡を除いて各郡に一つずつ、郡名を荘名とする七ヵ所の東大寺領荘園が記されており、これから、先述の「東大寺要録」にみえる尾張国中島郡の東大寺庄田は、中嶋庄とよばれたことがほぼ確認される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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