化学辞典 第2版 「尿素系肥料」の解説
尿素系肥料
ニョウソケイヒリョウ
urea compound fertilizer
尿素から誘導された肥料.尿素肥料の欠点,不便さなどを改良したもので,ほかの肥料,物質との混合や反応による誘導品を含むが,次のように分類される.
(1)吸湿性の低い尿素肥料.尿素は硫安に比べて吸湿性が強く,高温多湿時に潮解する点を改良した肥料.
(ⅰ)複塩としたもの;“カルレア”(ドイツI.G.社),Ca(NO3)2・4CO(NH2)2,N 34.6%.尿素セッコウ,CaSO4・4CO(NH2)2,N 29%.
(ⅱ)非吸湿性物質の混合物;“カルシュレオール”.尿素とドロマイトまたはマグネシウムを含む石灰石およびケイ酸カルシウムを混合したもの.N 30%.
(2)尿素溶液.尿素を水溶液の形としたもの.
(3)PCP(ペンタクロロフェノール)-尿素.水田除草剤PCP-Naを尿素に加え,除草と肥効の両面を考えたもの.
(4)尿素-アンモニア液.尿素の微結晶をアンモニア水溶液に浮遊させたもの.
(5)尿素アンモニア過リン酸石灰.尿素アンモニア液を用いた配合肥料で,主成分は尿素,硫安,リン酸三石灰で吸湿性の少ない肥料.
(6)“ウラホルム”.尿素とホルムアルデヒドとの反応による難溶性尿素縮合物と未反応尿素との混合物.防湿性.N 38%.難溶性のため長時間肥効性を持続し,雨水による流逃がない.
(7)“オキサミド”.シュウ酸ジアミドNH2COCONH2系緩効性肥料.N 30%.難溶性.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報