家庭医学館 「尿道の良性腫瘍」の解説
にょうどうのりょうせいしゅよう【尿道の良性腫瘍 Benign Urethral Tumor】
尿道にできる腫瘍(しゅよう)のうち、周囲の組織に広がったり(浸潤(しんじゅん))、血液やリンパ液の流れにのって腫瘍が転移することのない(良性の)ものをいいます。
ポリープや線維腫(せんいしゅ)などがありますが、圧倒的多数は、女性の外尿道口に生じるカルンクルスです。
カルンクルスは、主として中年以降の女性の尿道の出口にできる大豆(だいず)ほどの大きさの赤い腫瘤(しゅりゅう)です。尿道に付着している本体は、外尿道口からはみ出していて、直接見ることができます。
カルンクルスは本来の腫瘍(からだのコントロールを離れて、それ自体として増殖する組織)ではなく、慢性の炎症によってできるものです。がんのように無制限に大きくなったり転移をしたりすることはありません。
血管が多いため赤色に見え、そのため出血しやすい場合があり、排尿痛、接触痛のある場合もあります。
尿道には、例は多くありませんが、がんもできますので、外尿道口の腫瘤を自分でかってにカルンクルスと決めつけないで、専門医の診察を受けてください。
治療は外科的除去で、電気切除、レーザー切除などが行なわれます。