がん細胞が周囲の組織へ広がっていくこと。
遺伝子の変異によって増殖能を獲得したがん細胞は異型性を示し、局所で限局的に増殖していく。がん細胞は、局所で増殖しつつ、浸潤能を獲得していく。食道がんや子宮頸(けい)がんのような扁平(へんぺい)上皮のがんの場合、いずれはがん細胞が上皮全体を置換する。このように、上皮全体は置換したが、がん細胞がまだ上皮細胞層と結合組織の間の基底膜を越えていない状態が「上皮内がん」であり、がん細胞が基底膜を越え、上皮下の結合組織(間質)に進展することが「浸潤」である。上皮内がんの段階で切除されれば転移のリスクは低いといえる。
なお、「転移」とは、がん細胞が原発巣(はじめに発生した部位)とは離れた組織や臓器で非連続性の腫瘍(しゅよう)を形成することであり、その経路により、血行性転移、リンパ行性転移、播種(はしゅ)性転移などに分けられる。
浸潤と転移は一連の過程を成すもので、浸潤したがん細胞は、さらに血管やリンパ管の中に侵入し、遠隔臓器への転移に至る。
[渡邊清高 2017年11月17日]
infiltration
水溶液やガス,超臨界流体が,岩石中の微小な割れ目や孔隙,結晶粒間を通って流れ移動すること。続成作用や変成作用,および花崗岩体などの貫入に際して生じると考えられる。浸潤する流体の起原はさまざまで,天水,変成脱水・脱炭酸反応で放出された流体,花崗岩マグマの結晶作用により生じた残液などがある。大量の流体の浸潤は通過した岩石の全岩酸素同位体比を改変し,またH2OやCO2の化学ポテンシャルの変化に起因する変成反応を引き起こす。また流体に溶け込んでいた成分はこの機構により運ばれる。
執筆者:森清 寿郎・端山 好和
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
潤の譖(そし)り、膚受の
(うつた)へ行はれざる、
と謂ふべし。字通「浸」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…癌を完全に定義づけることは難しいが,ひとまず次のようにいうことができる。すなわち,〈癌とは,多細胞生物の体の中に生じた異常な細胞が,生体の調和を無視して無制限に増殖し,他方,近隣の組織に浸潤したり他臓器に転移し,臓器不全やさまざまな病的状態をひき起こし,多くの場合生体が死に至る病気〉である。 癌は多細胞生物の病気であって,細菌やアメーバなど単細胞生物には癌はない。…
※「浸潤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...