デジタル大辞泉 「屈す」の意味・読み・例文・類語 く・す【▽屈す】 [動サ変]《「くっす」の促音の無表記》1 気がふさぐ。「夕暮となれば、いみじく―・し給へば」〈源・若紫〉2 心が卑屈になる。「論なう―・したる人の名ならむ」〈落窪・一〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「屈す」の意味・読み・例文・類語 く‐・す【屈】 〘 自動詞 サ行変 〙 ( 「くっす」の促音の無表記 )① 心を暗くするようなことがあって、気持が沈み込む。めいる。気がふさぐ。[初出の実例]「あれまくは君をぞ惜しむ菅原や伏見の里のあまたなければ『身こそよそなれ』とかいふ。おもほしくせざらめ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)忠こそ)② 不幸、不遇な境涯に、いじけて卑屈になる。心理的に屈服する。[初出の実例]「少しうれしと思ふぞ、心ちのくし過ぎたるにや」(出典:落窪物語(10C後)一)③ 気分的にのびのびとした感じを受けない。不景気な感じである。[初出の実例]「『何の名ぞ、落窪は』〈略〉『人の名にいかにつけたるぞ。論なうくしたる人の名ならん』」(出典:落窪物語(10C後)一) くっ‐・す【屈】 〘 自動詞 他サ行変格活用 〙 ⇒くっする(屈) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例