朝日日本歴史人物事典 「山本新太夫」の解説
山本新太夫
生年:明和3(1766)
江戸後期の篤農家。阿波国(徳島県)三好郡三野郷芝生村生まれ。芝生村庄屋助役を務め,一時太刀野村庄屋を兼帯した。芝生村は吉野川中流域の左岸で,北に竜王山をひかえる丘陵地のため水利に苦しんだ。文化3(1806)年の大旱魃後,新太夫は芝生村庄屋の平尾平兵衛,平尾三郎右衛門などの協力をえて,河内谷川の水を引く開削工事を始め,文政10(1827)年芝生・勢力・加茂野の3村を貫通する風呂谷用水を完成し,百七十余町の田畑をうるおした。藩儒新居水竹による用水碑(1861)が残る。<参考文献>『三好郡志』
(石躍胤央)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報