岩田橋(読み)いわたばし

日本歴史地名大系 「岩田橋」の解説

岩田橋
いわたばし

分部わけべ町から、伊予いよ町との間の岩田川へ架けられた橋で、伊勢参宮街道の主要な橋であった。橋の大きさは「宗国史」に「岩田橋幅三間ニ長三十六間」とある。同書に「岩田橋ハ往古より雖有之、仮橋同前之由、大通院様欄干ギボウシユ等仰付、寛永十二(ママ)亥ノ歳也」とあり、仮橋同然の簡略なものを、寛永一二年(一六三五)二代藩主藤堂高次の命で、欄干に擬宝珠の付いた立派な橋に作り替えた。擬宝珠は釜屋かなや町の辻家によって鋳造され、「勢陽考古録」によれば、伊勢参宮「道中の橋にきぼしを設けたるは、天か下に瀬田と此橋ばかりなり」と記している。

貞享三年(一六八六)の「岩田橋出来入用」(宗国史)に、本橋と仮橋の入用合せて「小判五百五拾五両銀弐匁七分四リ、米廿三俵七升合(ママ)九勺、金ニシテ拾六両壱分壱匁六分、〆小判五百七拾壱両壱分、銀四匁三分六リ、内小判三拾両十壱匁、古橋材木并かり橋之役ニ不立、材木こわ払代、残而小判五百四拾壱両、銀八匁三分六リ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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