島谷市左衛門(読み)しまやいちざえもん

改訂新版 世界大百科事典 「島谷市左衛門」の意味・わかりやすい解説

島谷市左衛門 (しまやいちざえもん)
生没年:?-1690(元禄3)

近世前期の小笠原諸島探検家。堺の人で,中国沿岸渡航の経験をもつ父九左衛門の血をついで航海術に長じていた。1669年(寛文9)幕命により,末次平蔵が模造した唐船に乗り組んで南方を探査した。75年(延宝3)小笠原探検の命を受け,中尾庄左衛門や江戸の大工金兵衛と渡島し,夏季31日間にわたり島々探索,江戸に帰った。その詳細な観察答申は,幕末の領土問題や開拓・移民問題に大きな寄与をなした。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「島谷市左衛門」の解説

島谷市左衛門 しまや-いちざえもん

?-1690 江戸時代前期の探検家。
貿易商の父に航海術をならい,オランダ流の測量術もまなぶ。寛文9年長崎代官の末次平蔵の命で唐船造りの船を江戸へ回航。延宝3年(1675)幕命によりその船で中尾庄左衛門らと小笠原諸島を探検し,「延宝無人島巡見記」をあらわした。元禄(げんろく)4年7月16日死去。肥前長崎出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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