崎津村(読み)さきつむら

日本歴史地名大系 「崎津村」の解説

崎津村
さきつむら

[現在地名]河浦町崎津

大江おおえ(現天草町)南東今富いまとみ川の下流域に広がる村。南面する崎津湾に番所ばんしよの鼻が突出ている。慶安四年(一六五一)の肥後国大道小道等調帳(県立図書館蔵)に「さしの津船着海深シ何風ニ船弐百艘程懸ル」とあり、天然の良港であった。享保二年(一七一七)遠見番所が設けられ、密貿易・異国船漂着時の処理にあたり、唐通詞も置かれていた(島鏡)。一六世紀末頃から約二〇年間、肥前長崎に在住したイスパニア商人アビラ・ヒロンの「日本王国記」に「崎の津さしのつSachinotzu」とみえる。ルイス・フロイス「日本史」によると、天草氏はルイス・デ・アルメイダを領内に招き、キリシタン伝道を許すとともに、ポルトガル船の寄港を希望し、寄港の予定地として崎津の港に案内をしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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