嵩岳寺塔(読み)すうがくじとう(その他表記)Song-yue-si-ta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「嵩岳寺塔」の意味・わかりやすい解説

嵩岳寺塔
すうがくじとう
Song-yue-si-ta

中国,ホーナン(河南)省登封ソン(嵩)山の南麓にある嵩岳寺(俗称は大塔寺)の塔。嵩岳寺は北魏の宣武帝が建てた離宮を,正光1(520)年に閒居寺としたのが始まりで,隋,唐代に栄えたが唐代末には衰微した。北魏末の正光4(523)年建立とされる砲弾状の十二角形 15層の塼塔(せんとう。煉瓦造りの塔)が残る。第1層の外壁の四方出入口の上部蓮華形飾り,残り 8壁の仏龕を中心とした宝塔形浮彫,獅子の彫刻,すみずみの柱形など北魏時代の様式を示し,木塔と異なる 塼塔の特異な型を伝えた最古仏塔として貴重である。2010年,登封の歴史的建造物群「天地之中」として少林寺や嵩陽書院などとあわせて世界遺産の文化遺産に登録された。(→中国建築

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世界大百科事典(旧版)内の嵩岳寺塔の言及

【寺院建築】より

…また,華厳寺(山西省大同),善化寺(同),隆興寺(河北省正定)には遼・金・宋時代の遺構が数棟ずつ現存する。塔は,塼造(せんぞう)に最古の嵩岳寺塔(河南省登封。北魏,520)をはじめ多数,石造に神通寺四門塔(山東省歴城。…

【塔】より

…隋・唐時代には木塔のほか,塼塔も数多く建設され,方形が主流を占めたらしく,また南北朝には出現した密檐式塼塔もしだいにかなり普遍化した。現存する塔のうち最古の遺構は,塼造では12角15層密檐式の嵩岳寺(すうがくじ)塔(河南省登封。北魏,520),石造では方形単層の神通寺四門塔(山東省歴城。…

※「嵩岳寺塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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