川汲(読み)かつくみ

日本歴史地名大系 「川汲」の解説

川汲
かつくみ

[現在地名]茅部郡南茅部町字川汲

天保郷帳にみえる地名で、尾札部おさつべ持場。現町域中央部にあたり、川汲川河口の比較的広い海岸部を中心に集落がある。「かっくみ」と発音する。河汲とも記した。同川中流に川汲温泉があり、右岸沿いに川汲峠(木無峠・ケナシ峠)を越えて湯川ゆのかわ(現函館市)へ往来する山道があった。

シャクシャインの戦に関連して「津軽一統志」の「松前より下狄地所付」に「かつくみ 小船 澗有」と記される。享保十二年所附には「一 おさつ辺 板木 かつくミ 臼尻」などがみえる。菅江真澄は当地沿岸を航行し、「カツクミといふ浦のあり、此山の奥にはよき温泉のあるちふ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の川汲の言及

【南茅部[町]】より

…亀田半島の北東部に位置し,町域は海岸線に沿って起伏する丘陵地からなる。沿岸部には小湾が多く,臼尻,川汲(かつくみ),尾札部(おさつべ)などは天然の良港をなす。中心集落はほぼ中央の川汲で,国道278号線が通り,西に接する函館市へ向かう道路を分岐する。…

※「川汲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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