隠元豆(読み)インゲンマメ

デジタル大辞泉 「隠元豆」の意味・読み・例文・類語

いんげん‐まめ【隠元豆】

マメ科蔓性つるせいの一年草。葉は3枚の小葉からなる複葉で、軟毛がある。夏、白色・黄白色・淡紅色などの花を総状につける。さやは細長く、未熟果をさやのまま、あるいは熟した種子食用とする。中央アメリカの原産。蔓のない栽培品種もあり、ツルナシインゲンという。五月ささげ。三度豆。 秋》
フジマメ別名関西地方でいう。
[補説]名は、伝えたという隠元禅師にちなむが、1のみを伝えたとも、また、1関東に、2を関西に伝えたともいわれる。
[類語]大豆小豆ささげそら豆落花生レンズ豆ひよこ豆莢隠元豌豆莢豌豆グリンピース黒豆鉈豆

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精選版 日本国語大辞典 「隠元豆」の意味・読み・例文・類語

いんげん‐まめ【隠元豆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. マメ科のつる性一年草。中央アメリカ原産で、各地で栽培され、品種も多い。葉は互生し、小葉は三枚で、約六センチメートルの広卵形またはひし形卵形。夏、白または淡紫色の花が腋生の総状花序の上に開く。さやは細長く、中に一〇個ほどの腎臓形の種子をもつ。種子の形や色は品種によって異なる。未熟果をさやのまま、あるいは熟した種子を食用とする。未熟果をさやのまま食べるものをさやいんげん、さやの丸いものをどじょういんげんという。インゲンマメの名は、隠元禅師が中国からもたらしたことによるとするが、隠元禅師が伝えたものは、別種のフジマメであるともいわれる。ごがつささげ。いんげんささげ。にどささげ。さいとう。さんどまめ。いんぎん。《 季語・秋 》

▼いんげんまめの花《 季語・夏 》

  1. [初出の実例]「なた豆 隠元豆」(出典:俳諧・俳諧四季部類(1780)七月)
  2. 「蜻蛉のつるみながらに飛あるき〈几董〉 いんげん豆のこける秋風〈之兮〉」(出典:俳諧・続一夜松後集(1786))
  3. ふじまめ(藤豆)」の関西地方での異名。隠元禅師が承応三年(一六五四)中国からもたらしたもの。また、隠元は二種の豆を持ち帰り、関東にはゴガツササゲ、関西にはフジマメを広めたという説もある。
    1. [初出の実例]「家もりの隠元豆でうそぐらい」(出典:雑俳・千枚分銅(1704))

いんぎん‐まめ【隠元豆】

  1. 〘 名詞 〙 「いんげんまめ(隠元豆)」の変化した語。

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百科事典マイペディア 「隠元豆」の意味・わかりやすい解説

インゲンマメ(隠元豆)【インゲンマメ】

熱帯アメリカ原産のマメ科の野菜。つる性のものと,つるのない矮(わい)性のものとがある。花色は白または淡紅。種子の形,色は変化が多い。柔らかいさやをおもに食用とする品種(ケンタッキーワンダーなど)と,豆を食用とする品種(金時など)に大別され,約200品種。煮豆菓子原料とする。隠元が日本に伝えたのは別種のフジマメともいわれ,関西ではフジマメをインゲンといい,本種をサンドマメという。冷涼地で栽培されるベニバナインゲンは別種。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「隠元豆」の解説

隠元豆 (インゲンマメ)

植物。マメ科のつる性一年草,園芸植物,薬用植物。フジマメの別称

隠元豆 (インゲンマメ)

植物。マメ科のつる性一年草。ゴガツササゲの別称

隠元豆 (インゲンマメ)

植物。菜豆の俗称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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