工場型公害(読み)こうじょうがたこうがい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「工場型公害」の意味・わかりやすい解説

工場型公害
こうじょうがたこうがい

工場を発生源とする公害。日本で重大な災害を発生させた公害はこの型が多い。特徴としては,(1) 製錬製造など直接生産に関する施設からの発生であること,(2) 1工場あるいは工場群など点,またはそれに近い発生源であること,(3) 発生源の確定が可能なこと,(4) 加害者と被害者が画然と分れていること,(5) 公害防止施設の整備などで十分防止できる可能性が高いこと,などがあげられる。工場型公害の防止は,長年蓄積された生産技術を公害防止へ転用して,これに基づく防止施設の設置が最も効果的である。日本の工場型公害の防止技術は世界の最先端にあり,また必要に応じて総量規制などの制度も導入されているため,工場型公害による大気汚染水質汚濁などは全般的に改善傾向にある。

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