巨勢寺跡(読み)こせでらあと

日本歴史地名大系 「巨勢寺跡」の解説

巨勢寺跡
こせでらあと

[現在地名]御所市大字古瀬

曾我そが川西岸にあった古代寺院。多数の礎石・古瓦が出土し、塔心礎が残る。「日本書紀」朱鳥元年(六八六)八月二三日条に「巨勢寺に二百戸を封す」とみえ、延久二年(一〇七〇)の興福寺雑役免帳の葛上かつじよう石摩いしま荘の項に「巨勢寺田二町二段 卅六条四里廿七坪一丁 廿九坪二反 高天五里三坪一丁」とみえ、平安期にも奈良興福寺末寺として当寺が存続したことがわかる。しかし、徳治三年(一三〇八)七月日の廃巨勢寺別当領水田寄進状(春日大社文書)には巨勢寺が荒廃したため、旧領の高市たかいち郡三五条二里三〇坪・同三六条二里二四坪などの地二町一段を春日社談義料田として寄進したことがみえ、すでに鎌倉末期には廃寺になっていたようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android