差添える（読み）サシソエル

デジタル大辞泉

さし‐そ・える〔‐そへる〕【差（し）添える】

［動ア下一］［文］さしそ・ふ［ハ下二］
１ 付け加える。添える。「激励の言葉を―・えて贈る」
２ 付き従わせる。
「いと親しき人―・へ給ひて」〈源・澪標〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

さし‐そ・える‥そへる【差添・挿添・射添】

1. 〘 他動詞 ア行下一（ハ下一） 〙
   [ 文語形 ]さしそ・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 「さし」は接頭語。室町時代ごろからヤ行にも活用 )
2. ① つけ加える。付き従わせる。増し加える。
   1. [初出の実例]「いとしたしき人さしそへ給ひて夢もらすまじく口かため給ひてつかはす」(出典：源氏物語（1001‐14頃）澪標)
3. ② ものの間にはさみそえる。ものの間にさし入れる。
   1. [初出の実例]「雪凌ぐ庵のつまをさしそへて跡尋(と)めて来ん人を止めん」(出典：山家集（１２Ｃ後）下)
4. ③ さらに光を射し加える。
   1. [初出の実例]「咲き匂ふ華の光にさしそへてこのまをいづる春の夜の月」(出典：松平文庫本師輔集（960頃）)
5. ④ 付け加えて挿す。
   1. [初出の実例]「廿四さいたる大なかぐろの矢おひ〈略〉鷹の羽にてはいだりける的矢一手ぞさしそへたる」(出典：平家物語（１３Ｃ前）四)

出典　精選版 日本国語大辞典