朝日日本歴史人物事典 「己智帯成」の解説
己智帯成
奈良時代の仏工,画工。天平宝字年間(757~765)ごろに活躍した。『正倉院文書』によれば,天平勝宝6(754)年には石山院造仏所の仏工であった。造東大寺司造仏所に属し,天平宝字5年から6年にかけて,石山寺の本尊である塑造の丈六観音像および同じく塑造の6尺神王像2体の造立に携わり,志斐公麻呂と息長常人とを指導して,塑像の制作並びに彩色を行ったことがわかる。己智氏は秦氏と同族の渡来系氏族である。
(浅井和春)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報