市之瀬用水(読み)いちのせようすい

日本歴史地名大系 「市之瀬用水」の解説

市之瀬用水
いちのせようすい

加賀市の穀倉地帯を潤す市域最大の農業用水山中やまなか上原うわばら町で大聖寺だいしようじ川の水を取水、二つの隧道を掘って加賀市別所べつしよ町へ出、同市山代温泉やましろおんせん上野うわの町・もり町を経て二子塚ふたごづか町で動橋いぶりはし川に排水する。全長約七・九キロ、灌漑面積約七〇〇ヘクタール。寛永二年(一六二五)加賀藩郡奉行吉田伊織の命で久世徳左衛門が工事を監督して、まず山代村北西部勧進場かんじんばまでの約四・三キロを完成させ、これによって山代新やましろしん村が開発された。加賀藩主前田利常は勧進場にあった山代神明宮(現市之瀬神社)を用水鎮守として社領を寄進、徳左衛門を同社神主とした。その後、大聖寺藩二代藩主前田利明のときに延長工事と旧水路の補修を実施、寛文五年(一六六五)山代新村から動橋川に至るいわば二期工事が完成した(大聖寺藩史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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