市原在家(読み)いちがはらざいけ

日本歴史地名大系 「市原在家」の解説

市原在家
いちがはらざいけ

狩野かの川の支流大場だいば川右岸に比定され、江戸時代の三島町内のいちはら町を遺称とする。郡宅ぐんたく郷内。永徳二年(一三八二)九月二五日の鎌倉公方足利氏満御教書(三嶋大社文書)に「郡宅郷内市原在家佐介上野介跡」とみえる。佐介上野介跡は延文六年(一三六一)六月二五日に鎌倉公方足利基氏より三嶋社(三嶋大社)に寄進されていたが(「鎌倉公方足利基氏寄進状案」同文書)、永徳二年に鎌倉大仏だいぶつ(高徳院)に寄進されてしまったため、三嶋宮神主東盛直が鎌倉府に訴え、同年九月二五日下地を社家に戻すことが認められた(前掲御教書など)。応永四年(一三九七)大仏寺が訴えたため、東盛平に証拠書類持参のうえ鎌倉に参上し陳弁するよう出頭命令が出されたが(同年九月九日「伊豆守護代寺尾憲清奉書」同文書)、翌年閏四月二八日、大仏寺の訴訟は棄却された(「鎌倉公方足利氏満御教書」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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