市川の天衝舞浮立(読み)いちかわのてんつくまいふりゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市川の天衝舞浮立」の意味・わかりやすい解説

市川の天衝舞浮立
いちかわのてんつくまいふりゅう

佐賀県佐賀市富士町市川に鎮座する諏訪神社の秋祭り。10月第3日曜日に行なわれる。天衝(てんつく,てんつき)とは,祭りで演じられる天衝舞(方言ではてんつくみゃあ)の踊り子が頭につける直径 1mあまりの三日月形に雲龍を描いたかぶり物のこと。浮立とは風流のことで,見た目も音も華やかな祭礼行事やしつらえをさすことば。まず,亭主前と呼ばれる当番宿を出発した行列が,諏訪神社に向かう。この時,打ちは鉦を浮き足立った調子で鳴らし,モリヤーシは鼓をたたく。棒使いも妙技を披露しつつ行く。諏訪神社境内に入ると,「にわか」や「やっこ踊り」なども行なわれ,次いで天衝舞の出場となる。天衝を着け,腰にござを下げた踊り子が,大太鼓を打ちながら,天衝を地面すれすれに円を描いて振り,あるいは跳躍する。

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