市比野村
いちひのむら
[現在地名]樋脇町市比野
樋脇郷の南半部、樋脇川上流の市比野川流域を中心に位置。北は塔之原村、東は入来郷浦之名村(現入来町)、南東は郡山郷嶽村(現郡山町)、西は北から山田郷山田村・百次郷百次村(現川内市)、南西を串木野郷上名村(現串木野市)、南は市来郷川上村(現市来町)・養母村(現東市来町)。古代西海道の薩摩国櫟野駅が置かれたとする説もある。中世は入来院のうち。長寛二年(一一六四)六月一日の五代院主桑田信包請文(旧記雑録)には「宮御領市比野浦公験等」、建長二年(一二五〇)一二月日の入来院内村々田地年貢等注文(入来院文書)に「いちゐのの村」などとみえる。文禄検地後、当地は島津氏直轄領になったとみられる。慶長一八年(一六一三)入来院重高領となったが、万治二年(一六五九)鹿児島藩直轄の清敷郷(のち樋脇郷)のうちとなった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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