帰全山(読み)きぜんざん

日本歴史地名大系 「帰全山」の解説

帰全山
きぜんざん

[現在地名]本山町北山

吉野川北岸にある標高四三〇メートルの山で、近世土居のあった本山村を見下ろせる場所である。がん山ともいわれる。「土佐州郡志」は「或謂之別宮山、旧有十二所権現社、今無矣、山横吉野川、東南西臨川松茂生、禁採伐」と記す。

帰全山には野中家累代の墓地があり、慶安四年(一六五一)六六歳で母の万が没したとき、兼山儒家の礼に基づいて当所に土葬し葬儀もそれにならったという。山崎闇斎は帰全山記(「南路志」所収)のなかで「余謂記曰父母全而生之全而帰之可孝矣夫人之謂也宜帰全山」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の帰全山の言及

【本山[町]】より

…江戸時代前期には,土佐藩執政として藩政を掌握した野中兼山の知行地で,その屋敷地跡は現在上街(うえまち)公園となり,桜の名所として知られる。野中家累代の墓のある帰全山には兼山の銅像が立つ。北東部にある白髪(しらが)山(1470m)は古くより良材を産した。…

※「帰全山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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