デジタル大辞泉
「執政」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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しっ‐せい【執政】
- 〘 名詞 〙
- ① 政治をとること。国政をとること。また、その職・人。
- [初出の実例]「新羅国使、自レ古入朝。然未下曾与二執政大臣一談話上」(出典:続日本紀‐和銅二年(709)五月壬午)
- 「趙高と申ける大臣を執政(シッセイ)に付られ」(出典:太平記(14C後)二六)
- ② 摂政・関白のこと。執柄(しっぺい)。また、広く大臣をいう。
- [初出の実例]「頭弁資信朝臣来、伝二執政命一云」(出典:台記‐康治元年(1142)八月七日)
- ③ 近世、幕府の老中のこと。幕政の担当者。
- [初出の実例]「殊に故の相良侯、当路執政の頃にて、世の中甚華美繁花の最中なりしにより」(出典:蘭東事始(1815)上)
- ④ 近世、大名の家老のこと。
- [初出の実例]「但馬守数直の朝臣の、執政の職に任ぜられしかば」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)上)
- ⑤ 近代、国政の担当者。内閣総理大臣。
- [初出の実例]「時の執政(シッセイ)と雖も法律を左右するの権なしと云ふも」(出典:福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉六二)
- ⑥ ( [フランス語] consul の訳語 ) フランスの第一共和政(一七九二‐一八〇四)時、特に執政政府の最高政務官。統領。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「執政」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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執政
しっせい
①摂政・関白の別称
②1932年3月満州事変後誕生した満州国の元首
江戸幕府では老中・諸藩家老などの通称。明治初年では地方官職の称となった。
のちに皇帝に改められた。満州国の樹立には関東軍ならびにこれに協力した日本人からなる自治指導部があたったが,建国後は執政に清朝最後の皇帝溥儀 (ふぎ) を,国務総理や各部大臣にも満州人をすえた。しかし実権は日系官吏が握った。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の執政の言及
【老中】より
…江戸幕府の職制。年寄,宿老,閣老,執政とも呼ばれ,全国を統治する徳川氏将軍家の〈老〉(としより,おとな)として,将軍に直属してその信任のもとに,所司代,三奉行,遠国奉行,大目付などを指揮して国政を統轄した(老中の〈中〉は〈連中〉〈若者中〉などというように集合を表し,また〈――衆〉のように敬意を表す機能をもつ)。また加判の列とも呼ばれたが,これは老中連署奉書([老中奉書])に署名し,判(花押)を加える者という意味である。…
【参知政事】より
…北宋の太祖は,宰相(同平章事)趙普が1人で強大な権限を掌握することをおそれ,964年(乾徳2)薛居正(せつきよせい)と呂余慶とを副宰相として参知政事に任命した。これが参知政事のはじまりで,[宰相]より低い格に付けられ,執政と称された。神宗(1068‐85)の官制改革で中書侍郎・門下侍郎に改められたが,南宋で参知政事の名にもどり,元代にも置かれた。…
【枢密使】より
…枢密院は,宋代になって二府の一つを占め,たいへん重要な役所であり,中央政府は[宰相]を中心に,[参知政事]と枢密使(または知枢密院事)らによって構成された。枢密使は宰相より一格下で,参知政事とともに執政と称せられた。平時には武官の人事をつかさどり,戦時には参謀本部のように機能したが,ときに戦闘行動の細事に介入したので,前線の作戦行動はしばしば掣肘(せいちゆう)された。…
※「執政」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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