帰国報告書（読み）きこくほうこくしょ(ちゅうごくじんかんこうりょこうしゃ)

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帰国報告書(中国人観光旅行者)

日本に観光ビザで入国した中国人が本国に帰国したことを証明する書類の総称。個人旅行者を対象とした｢中国国民訪日個人観光旅行帰国報告書｣と、団体旅行者を対象とした｢中国国民訪日団体観光旅行取扱団体帰国報告書｣がある。不法残留の防止などを目的に、団体では中国人の訪日団体観光旅行が解禁された2000年以降、個人では訪日個人観光旅行が解禁された09年以降、中国人観光客を受け入れた旅行会社に対し、同書類の観光庁への提出が義務付けられている。書類の記載内容は提出する中国人観光客の氏名、性別、旅券番号、旅行期間などで、日本の旅行会社が、中国人が帰国の際に利用する航空機や旅客船の運航会社に押印を受けて作成、提出する。提出が遅れた場合には、旅行会社に対し一定期間中国人観光客の受け入れを禁じたり、受け入れ旅行会社の指定を取り消したりする罰則が設けられている。しかし、中国人観光客の激増に伴って提出率は低下傾向にあり、15年時点では約57％に留まっている。罰則も正しく科されていないことから、制度の形骸化が指摘されている。

(2017-3-22)

出典　朝日新聞出版