帰海寺(読み)きかいじ

日本歴史地名大系 「帰海寺」の解説

帰海寺
きかいじ

[現在地名]三次市海渡町 寺谷

美波羅みはら川東岸の寺谷てらだににある。臨済宗妙心寺派、山号天医山。本尊の木造薬師如来像は高さ八八センチ、寄木造で、県指定重要文化財。胎内に墨書銘があり、それには天文一二年(一五四三)八月、住持永真蔵主のとき、大檀那広沢豊実が京都一条烏丸いちじようからすま(現京都市上京区)の仏師雲渓の子孫という康正に作らせたものとある。広沢(和智)豊実は吉舎きさ(現双三郡吉舎町)に拠って三谿みたに郡東方を支配した豪族である。

安永五年(一七七六)の本堂再建棟札によると、「当山、当庄郡吏江田高貫公之祈願所也」とあり、その後一時中絶したものを寛文八年(一六六八)再興という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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